東京大学公開講座第131回「論理」において、当研究室の矢入健久教授が、「動的システムの推論」という題目で講義を行いました。第131回公開講座は、当初、2020年の春季に予定されていましたが、コロナ感染拡大に伴う活動制限のため秋季に延期され、安田講堂での無観客ライブ配信という形で行われました。ほぼ無人の安田講堂で壇上に立つのは貴重な体験でした。
なお、講義内容は、「『広義』の論理は、世界を抽象化して表現し、少数の背景知識と推論ルールから多数の事例・データを演繹的に生み出すこと、すなわち、世界をモデル化する体系である。」と提起し、そのような広義の論理の一つとして「微分方程式」に着目して、人間はどうやって「広義の論理」である微分方程式を獲得したか、人工知能はどのように微分方程式を用いて推論を行うのか、そして、人間の科学者のように、自然現象などを観察して自ら微分方程式を獲得できるような時代が来るのか、などということを論じました。